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トランシットとトータルステーションの違いは? 測量機器についての解説

2023/12/13

トランシットとトータルステーションはどちらも測量に使用する機器ですが、測量できるものや機能が異なります。
そこで、今回の記事では2つの違いを解説します。

それぞれの機器を使うと何が測定できるのか、種類や使い方などを詳しく説明するので、測量機器について詳しく知りたい方はぜひご一読ください。

トランシットとトータルステーションの違いは? 測量機器についての解説

トランシット|角度を測る測量機器

トランシットは水平角ならびに高度角を精密に測ることができる測量機器です。

測量現場では角度と距離を測ることが重要ですが、少しでも角度がずれると、数十メートル先・数百メートル先では大きな距離のずれになってしまいます。
そのため、距離は測れなくても角度は正確に測れるトランシットは、測量現場に欠かせない測量機なのです。

トランシットの種類

トランシットは角度の計測方法によって、レーザー・デジタル・光学の3種類に分けられます。
以下では、3種類の特徴と主な用途を説明します。

レーザートランシット
レーザートランシットは、目標点にレーザーを照射して角度を測定するツールです。
レーザーの出力の多段階調整やレーザー照射機能があり、高精度な測角が可能。
地下工事、トンネル工事、建築工事などで使用されています。

デジタルトランシット
指定した点間の角度を電子的に測定して計算して測量する機器です。
自動で計測し角度の読み取りが素早く行えるのが特徴です。
地形測定や勾配測定に主に使用されています。

光学トランシット
光学トランシットは、レンズで光学的に角度を測定できるツールです。
測定した角度は数字で表示されるので、測定値を読み取りやすい点がメリットとして挙げられます。
建築現場や地形測量などで幅広く使用されています。

トータルステーション|角度と距離を測る測量機器

トータルステーションは、デジタルトランシットと光波距離計を組み合わせた測量機器で、距離と角度を同時に測ることができます。
トータルステーションは目標点に光をあて、反射した光を解析することで目標点との距離を測定します。

トランシットが角度だけを測定できるのに対し、トータルステーションでは角度と距離を同時に測定できるため、測量業務を効率的に行うことが可能です。

トータルステーションの種類

トータルステーションは用途や機能によって、一般的・ノンプリズム・電子野帳搭載・自動追尾の4種類に分けられます。
以下では、4種類の特徴と主な用途を説明します。

一般的トータルステーション
一般的トータルステーションは、目標地点のターゲットをレンズで捉えたらボタンを押すだけで角度と距離が測定できるタイプです。

測量には操作する人と、目標地点でターゲットを持つ人が必要で、2人1組で測量を行います。
一般的トータルステーションは4種類の中では最も汎用性の高い種類で、幅広い測量現場で使われています。

ノンプリズムトータルステーション
ノンプリズムトータルステーションはターゲットが不要で、レーザー光を照射して距離を測定します。
ターゲットを持つ必要がないためワンマンでの測定が可能になり、人が近づけない危険な場所でも安全な測定が可能です。

電子野帳搭載トータルステーション
電子野帳搭載トータルステーションは、一般的トータルステーションに電子野帳を内蔵しているタイプです。
測定したデータを自動的に記録し測量ソフトへ転送するため、測量業務の効率化を実現します。

自動追尾トータルステーション
一般的トータルステーションにターゲットを自動的に追尾して測定する「自動追尾機能」を内蔵する機械で、ピント合わせなどの操作が不要になるのが特徴です。

ワンマンでの測量が可能になり、計量作業の効率化が図れます。

まとめ

トランシットとトータルステーションは、どちらも測量現場で活躍する測量機器ですが、トランシットは角度のみ測定できるのに対し、トータルステーションは距離と角度の両方を測量できる機器です。

トランシットにもトータルステーションにも、構造や機能によっていろいろな種類があります。

2つの違いを知った上で、どのような目的で測量機器を使うのかを明確にし、用途にあった種類のトランシットやトータルステーションを選びましょう。