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測量の仕方とは?測量の流れや測量実施時の作業手順など詳しく解説

2024/01/25

工事や建築を行う際の作業として測量があります。

測量は工事を行ううえで重要な作業です。

測量には流れがあり、手順に沿って実施しなければ正確な角度や距離の計測はできません。

この記事では、測量の仕方や測量の流れ、測量の方法について解説します。

測量はあまりなじみのない作業かもしれませんが、この記事を読んで測量の重要性についてぜひ理解を深めてみてください。

測量の仕方とは?測量の流れや測量実施時の作業手順など詳しく解説

測量の目的

測量は、工事や建築の際に、現場の距離や角度を計測するための作業です。

建物の基礎、工事現場の作業範囲や始点を把握することは、工事を行ううえで非常に重要です。測量を正確に行わなければ、その後の工事や建築に大きな影響が出ます。

どこに施工を行えばよいのか把握するために測量という作業が必要なのです。そのため、通常は測量の資格を有した測量士が行います。

測量の流れ

測量を実施する際の流れは以下のとおりです。

・測量準備
・測量実施
・測量データにもとづく計算
・作図

それぞれの手順を解説します。

測量準備

測量対象に関する測量計画を作成します。測量計画は正確な測量を行ううえで非常に重要です。

測量現場の状況などを確認のうえ、基準点を決めるのもこの段階で行います。計画作成後、測量現場で杭打ちを行います。

測量実施

測量準備が完了したのち測量機を使用して実測を行います。

測量の際は複数の既知点(与点)で計測を行い、正確な距離と角度を測定しなければなりません。

計測はミリ単位で数値を取得します。

最近ではレーザー式の測量機を使用するため、測量開始前に水平位置など微調整をしっかりと行えばパネル上のボタンにタッチするだけで完了します。

測量データにもとづく計算

測量で得られたデータを使用して計算を行います。具体的には測量で得たデータの誤差修正、測量データにもとづく面積の算出といった細かな計算です。

トータルステーションに記録されたデータをUSBメモリに保存してアプリケーションに取り込み、パソコンで計算を行ったうえで数値を算出します。

作図

計算によって算出された数値をもとに作図を行います。この作業もパソコンにインストールされたソフトウェアで行われることが一般的です。

測量の仕方

測量実施は以下の手順で行います。

1. 既知点(与点)に三脚を立てる
2. 三脚の中心を既知点(与点)の鋲に合わせる
3. 三脚が水平になるように調整する
4. 測量器械を取り付ける
5. 下げ錘を使って器械の中心と鋲の位置を合わせる
6. 整準ネジで水平になるように気泡菅を見ながら調整する
7. 測量器械の電子気泡菅で水平になるように調整する
8. 測量器械を設定する
9. 求点にプリズムがついたポールを立てる
10. 器械の測量ボタンを押して実測する

測量実施時には、計測前に行う水平位置の微調整が非常に重要です。この調整をしっかりと行わなければ正確な測量が行えません。

そのため、三脚設置時には安定した場所を選び、さらにステーション設置後も円形気泡菅と棒気泡菅で水平になるように細かく微調整を行います。

このとき、三脚ならびにトータルステーションの中心位置がずれていないか確認して、ずれがあれば再度微調整が必要です。

三脚とトータルステーションを水平に設置したのち、既知点から求点に対して焦点を合わせます。

このとき、焦点は計測者の視力によって変わるため、測量士が変わるたびに焦点を合わせ直さなければなりません。

トータルステーションを使用する場合は、求点に対してレーザーを照射して測量を行います。測量は通常2人1組で行い、1人がトータルステーションの操作、もう1人が求点でポールを持ちます。

レンズの焦点を調整して、後視点を設定のうえ測量ボタンを押すと鉛直角と水平角が表示され、1回あたりの測量が完了です。

数値を記録したのち、別の既知点(与点)に移動して同様に作業を実施します。これを繰り返して全体の測量を行います。

まとめ

今回は、測量の仕方について解説しました。

測量のおおまかな流れは以下のとおりです。

・測量準備
・測量実施
・測量データにもとづく計算
・作図

この流れに従って測量を行います。

測量実施時の作業は以下の手順で実施します。

・三脚の設置
・中心位置ならびに水平位置の調整
・トータルステーションの取り付け
・器械の中心位置ならびに水平位置の微調整
・器械設定
・測量

実際に測量をする際には、既知点(与点)から求点に対して測量を行い、このとき使用されるのがトータルステーションです。

複数回測量を行い、正確な距離と角度を計測します。

測量を始める前に三脚やトータルステーションの中心位置、ならびに水平に設置されているか細かく微調整を行います。

水平に設置されていなければ正確な測量ができないため、この作業は非常に重要です。測量の中でも神経を使う作業のひとつといえるでしょう。

測量は簡単に見えて、細かな神経を使う仕事です。

測量は工事を行ううえで極めて重要な作業のひとつで、正確な測量が工事の鍵を握るといっても過言ではありません。

この記事を読んで少しでも測量に興味を持ったときには、さらに理解を深めてみてはいかがでしょうか。